2004.09.24

ディープ・ブルー

 あまり映画を観ない私だが、ディープ・ブルーを観てきた。フィクションが多い作品の中にあって、数少ないノンフィクションものである。ドラマよりドキュメンタリーが好きなこともあるし、たまたま見た井筒監督の「こちトラ自腹じゃ!」で井筒監督が大絶賛していたのも、観に行こうかなと思ったきっかけだ。別に井筒監督の評価を信用しているわけではないのだが、コメントが良かった。「どうやって(カメラを)回したんやろ」「7000時間も(カメラを)回したん?」と映画監督らしい驚嘆をする井筒監督。人間が全く出てこないこの映画に感動する井筒監督に対して(名前の知らない)ある俳優が、やはり映画は人間模様でしょう、というようなことを言った。そこで井筒監督は言った。「ドキュメントと言えども人は演技をしてしまう。でも動物は演技をしないからね。」井筒監督だってもちろん人間模様を撮っているのだが、その俳優とは人生観が違うなと思った。

 映画を観て、非常に感動したというほどではなかった。しかし教えられる映画である。学校の授業のようなボケーっとしていても入ってくるような教えではない。背中を見て育つ的な、何も教えてはいないが、真剣に喰らい付いていればイヤでも何かを感じ取ってしまう的な教えである。当たり前だ。自然は教壇には立たない。そして井筒監督のコメントを聞いていたので、どうやってこの映像を収めたのだろうかという、撮影に関わった人達の人間模様を想像してしまった。映画のラストに「我々は星や月に関心を向けてきた。しかし我々を本当に驚かせてくれるのは海である。」というナレーション(字幕)があった。

 私が日頃感じていることと似ていたので、この言葉は非常に心に響いた。私が感じている似ていることとは、宇宙旅行に手軽に安く行けるようになっても、私はそれを選ばず地球上の旅行を選ぶだろうということである。私は演技をしない人間や生き物の現実がもっとも興味深いと思っている。現実の中に潜むドラマは各人の頭の中で描けばいいことであって、これがドラマですと見せられても、押しつけがましいだけだ。逆に宇宙は、方程式の中にドラマはあるかもしれないが、自分の目の前で繰り広げられる現実の中からドラマを感じることはできないのではないだろうか。昨日と今日とで違う感じ方ができるとは思えない。

 ラストのナレーション(字幕)で、ことさらクジラだけを取り上げて、この生き物が少なくなってきているのに人間はまだ殺そうとしている、というようなことを言っていた。クジラの議論は別の機会にすればいいことであって、この映画の最後に持ってきているのは、この映画で本当に訴えたいことをすり替えかねない残念な蛇足である。

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2004.09.06

そんなこと言うわけないよ。

 4日(土)のTBSテレビ「世界ふしぎ発見」で、ブータンの為に力を尽くし、その死は国葬で送られた西岡京治さんという日本人のことを取り上げていた。番組の最後の問題で、その西岡さんがブータン国内に広めた日本の食品は何か?というものがあった。答えは豆腐なのだが、その解答発表の時に、レポーターが豆腐は好きかみたいなことを現地の人に聞く場面があった。すると「低カロリーだし、健康にもいいしね」と答えたのである。もちろん日本語で答えるわけはなく、吹き替えのセリフがそう言ったのである。

 ブータン人が現在食うや食わずやの生活を送っているとは言わないが、世界中のごく一部の飽食の国を除いて、絶対にこんな発言はしない。パリの日本食レストランではないのだ。つまりこの吹き替えは明らかに嘘である。

 別に嘘があってもいい。現地の人が言った主旨でない吹き替えはこれまでも数限りなくあったと思う。しかし現在の日本人が豆腐に対して持つイメージを、ブータンの人が言ったことにするような、日本人が現地の暮らしを誤って捉えるような嘘は止めた方がよい。ブータンはあまり日本で知られている国ではないので、ブータンに対するステレオタイプが存在するとは思えないが、全般的に、日本人に一般的に思われているステレオタイプに沿うような記事・報道になっていることは否めない。

 他国の文化だけでなく、流行のお店から健康法、どちらか一方を悪者にするニュース報道など、ありとあらゆるものにステレオタイプは存在する。それに頼りすぎの日本国民自体にかなりの問題があるが、マスコミも行き過ぎた便乗は改めなければいけない。

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2004.08.06

黒部の太陽

8月4日、会社の業務時間中に仕事として映画「黒部の太陽」を観た。
黒四ダムは大学4年生の時に研究室の旅行で訪れたことがある。
その時は富山で1泊し、立山で一泊し、大町へ抜けて帰ってきた。
その旅行の時、研究室の同輩が、予習としてこの黒部の太陽を観た
と言っていたのを覚えている。
しかし今回聞くと、黒部の太陽はビデオ化やDVD化がされていないという。
それは色々経緯があるようだが、石原裕次郎の生前の想いもあるようで、
とにかく現在は石原プロダクションからの許可が出ないのだそうだ。
今回もフィルムであった。5巻を交換しながらの上映である。

上映に当たって、石原裕次郎演じる主人公岩岡剛のモデルになった
笹島さんという方本人が来賓の挨拶をした。
もう90歳前だそうだが、現在もトンネル工事の最前線にいるという
非常に元気な方だった。

映画内でゼネコンの名前は全て実名である。
私は黒四(黒部第四ダム)と言えば間組の施工だと思っていた。
しかしこの映画は熊谷組がメインである。
キャストなどを示した最初のロールで、間組、鹿島建設、熊谷組、
佐藤工業、大成建設と出ていた(佐藤と大成は順番が逆だったかもしれない)。
私が勘違いしていたのは、黒部の太陽はダムを造る映画だと思っていたことだ。
しかしそうではない。トンネルを造る映画なのだ。
ダムを造ったのは間組で正しいのだが、残りの4社は
そのダムへと続く物資輸送のためのトンネル等を施工しているのだ。
そしてそのうちの熊谷組の工区での難工事が映画化されたのだ。

この映画の主人公は、熊谷組岩岡班の石原裕次郎ということになっているが、
私には施主の関西電力黒四建設事務所、北川次長役の三船敏郎であるように思える。
石原裕次郎よりも三船敏郎の方がかっこよかった。

またここでおもしろいのは、熊谷組の職員役が誰も居ないということである。
建設現場に詳しくない人は、岩岡(石原裕次郎)を熊谷組の社員だと思っているか、
そうでなければ関電から受けた工事を、岩岡班に丸投げしていて
熊谷組の職員は工事の最前線に全く関わっていないと思っているかもしれない。
しかし元請けが現場に居ないようなことは絶対にないわけで、
むしろ私は施主側の北川次長(三船敏郎)が、
常駐して現場の指揮を取っていたことの方が変に感じる。

もうひとつ昔作られた(昭和43年2月公開)映画だなぁと思ったのは、
「労務者」「土方」という言葉が頻繁に出てくるということだ。
今では差別用語として、公の場で使われることは全くないし、
現場でも一般的には使わない。
労務者は作業員。土方は土工と言い換えている。
しかし土方はスラングとしては使われている。

実話を基にしているとは言え、映画だから、建設現場を知っている人にとっては
「このシーンはおかしい」と思うこともあった。
しかし時代が違うので、本当におかしいのか
それとも単に今の時代感覚でおかしいと思うだけなのか、
はっきりしない部分もあった。

時代が違うと言えば、黒四の前に作られた黒三(黒部第三ダム)の話である。
戦時中(昭和13年と字幕に出ていた)の工事で、ダイナマイトを仕掛けるのに、
仕掛けてすぐに発破を行わないと山の地熱で自然爆発してしまう
非常にやっかいなトンネルだったそうだ。、高熱トンネルと言っていた。
この工事のシーンは、消防士が使うような高圧ホースで
後ろから水を掛けられ続けながらふんどし一枚の労務者が作業をしているのである。
そして映像としてはなかったが、
銃剣を突きつけながら作業をさせていたというセリフが出てくる。
黒三ではダイナマイトの誤爆や銃剣で殺された人その他も含めて、
約300人が亡くなったという。

黒四では、映画の一番の見せ場でもあった破砕帯による大量の水や土砂によって、
また熊谷組が掘ったトンネル以外も含めてだろうが、
100何人かが犠牲になっているはずである。
それは現在ダムの脇にある慰霊碑に
犠牲者の名前が刻まれているのを見たから知っているのである。
映画ではこのトンネルや黒四ダム工事全体の犠牲者の数には触れていなかった。

上映の後の挨拶の中で、観ていた学生に対して、
現在の土木技術は当時に比べて格段に進んでおり、
今はこんな危険なことはやっていませんと言っていた。
まあ、これは言っておく必要があるよね。

私もトンネル工事やダム工事のことは全く知らない。
しかし建設業に携わる人間として、この映画は観て良かった。

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2004.07.26

恐ろしいCM

見ていて怖いなと思うCMがある。
確かにキャッシュワンだとかモビットだとかアットローンだとか
銀行の皮を被った街金のCMも恐ろしい。

しかし視聴者に訴える効果が恐ろしいCMがある。
ほのぼのレイクとレオパレス21のCMだ。

ほのぼのレイクは、夫婦が福引きに来て亭主がパソコン欲しいなとつぶやく。
するとUFOが何かを発して福引きに当たる。
喜んだ亭主が空を見上げると、UFOがほのぼのレイクの建物から飛び立つ
というものだ。

レオパレス21は、アパートに藤原紀香が居る。
アパートの住人が朝起きると藤原紀香がゴミ捨てに行ってくれようとする。
そして帰宅すると料理を作っておいたと言って、部屋でシェフが作った料理を
藤原紀香と食べる。
こちらは住人が男性のバージョンもあるが、いずれにせよご丁寧に
「実際のお部屋に藤原紀香さんは付いていません」と字幕が出る。

これらのCMに共通しているのは、
実際には起こらない夢みたいな事ことを見せておきながら、
他者から指摘されても、当社のサービスと映像は関係ありません
という逃げが用意されているところである。

私は恐ろしいと解っているつもりであるが、
レイクとパソコン(欲しいもの)が結びつくし、
レオパレスと幸せな生活が関連がある気がしてしまう。
特に意識していなければ、知らず知らずのうちに刷り込まれてしまうのではないか。

CMの制作者はもちろんその効果を意識して作っているわけで、
視聴者の意識していない、しかも事実とは関係のない
イメージを植え付けるこのようなCMは、本当に恐ろしいCMだ。

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2004.07.23

矢野沙織報道ステーション生出演

一昨日になるが火曜日、いつものように報道ステーションが始まるはずだったが、
オープニングテーマの音がちょっと違うように感じた。
なんとテーマ曲Open Mindを演奏する矢野沙織と作曲者の松永貴志の生出演だった。

番組の後半で改めてフルに演奏を披露した。
演奏自体どうとは思わなかったが、JAZZファンが増えるんじゃないかなぁとは思った。
矢野沙織弱冠17歳はよく取り上げられるが、
この曲の作曲者松永貴志も弱冠18歳とは知らなかった。
まあ女性、現役高校生、パーカーに心酔するアルト
これらが重なれば話題になりやすいのは当然だ。

ところで松永貴志は年相応だが、矢野沙織は17歳にしては大人っぽい。
また矢野の方が背が高いように見えた。
矢野の方が彼を引っ張っていくという感じの、
なんかとってもお似合いの2人のように見えたが、気のせいだろうか?。

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2004.04.21

報道ステーションが始まって半月

が経った。
古館伊知郎は嫌いではないが、コメントを聞いていると
何か面白いことを言ってやろうというか、受けを狙おうとしているというか、
とにかく見ていて今ひとつ面白くない。
毎日必ず見ているわけではないが、必ず見ようという気にならないこともまた確かである。
古館カラーを出そうとしているが、良い方向に向いていないのではないか。

しかし
オープニングの音楽がジャズな曲なのは、
夜そして大人の時間という感じがして、とても良い。

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2004.04.06

楽しみにしていた番組が次々終わる

ここ数年、楽しみにしている番組といえば、
ニュースステーション、特命リサーチ200X、恋のから騒ぎの3本だった。

特命リサーチ200Xは、3月7日に突然(エンディングで次週の予告かと思いきや、
終了のお知らせでビックリ)終わってしまい、かなりガッカリ。ショックもでかい。

Nステは、11時近くなると他のニュースを見たりもしていたが、
10時台は他でニュースをやっていないからという理由ではなく、
指名買いで見ていた。

恋のから騒ぎは11期目。
ここ数年は昔のように下品でなくなったので、順調に続いている。

何事も始まりがあれば終わりがあるもの。
死ぬ人がいれば産まれる人がいる。
楽しみにするような番組が生まれてほしい。

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ニュースステーションが終わって

「報道ステーション」スタート、古舘さんが決意表明

先々週ニュースステーションが終わってしまい、1週間の特番期間をはさんで、
昨日から古舘伊知郎の報道ステーションが始まった。

Nステの最終回は、どういうわけかこの日に限ってエンディングの前に眠くなっていまい、
見ていない。
しかしラストはともかく、
毎日飽きもせずこの番組を見続けてきたということは、
率直に言って面白かったのだろう。

この番組は「8時だよ!全員集合」と入れ替わりに始まっている。
全員集合が69年10月から85年9月まで16年、
Nステが85年10月から04年3月まで18年と6ヶ月
子供の頃毎週楽しみにしていた全員集合と、
大人になって帰宅してから毎日見ていたニュースステーション。
そして関係はないが、Nステの終わりと共にいかりや長介も亡くなった。

どちらも強烈な個性が引っ張ることによって成り立っている番組だった。
Nステも一時期久米宏が休養で、ピンチヒッターが司会を務めていたこともあるが、
魅力がかなりダウンしていた。
相棒を務めた女性キャスターの中ではやはり小宮悦子。
渡辺真理は足元にも及ばない。

さて報道ステーション。
昨日のオープニングは見られなかったが、途中から見た感じでは、少しガッカリ。
古舘に久米の代わりを期待してはいけないわけで、
これからしばらくは見てみるつもり。

久米さん、ゆっくり休んでください。
でも選挙のときは、小宮さんと「選挙ステーション」をやってください。

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2004.03.02

ズーミン

朝家を出る前に、いろんなチャンネルをザッピングしながら見ているが、
基本的には日テレのズームイン朝を見ている。
2月までは麹町でやっていたので、メインキャスターの後ろに見える建物や、
お天気コーナーのときに出る道路や、辛坊さんのコーナーの前にカメラが切り替わるときに写る
地下鉄の出口をテレビで見て、その後1時間後に自分もそこを通っていた。
しかし昨日からは汐留に移ってしまった。
ズームイン朝のマスコットキャラクターのズーミンも、今までは道路に居たのに
居なくなってしまった。
いつも見ている風景が変わってしまったのも残念。
いつも見ている風景をテレビで見られなくなったのも残念。

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2004.02.18

トリビアの泉

でタコマ橋の落橋をやっていた。この映像はTVでも何度もやっているし、強風で橋が落ちたなんてへぇーの音も出ない。構造屋お薦めのトリビアとしては、「地震学者は大地震が起こると真っ先にお墓に行く」というのがあるが、番組に出してみようか。

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