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2006.04.10

[書評] 人間ものがたり

ジェイムズ・デイヴィス:人間ものがたり,日本放送出版協会,2005

人間ものがたり 訳者が書いているように、おとなのための世界史教科書という表現がピッタリとくる本である。各章のタイトルの付け方に表されているように、おとなどころかこどもに物語を読んで聞かせているような語り口になっている。世界史というのは、高校生時代に授業を受けた記憶で言えば、時間軸に沿って話が進むがあっちこっちと話が飛んでしまい、全体像がつかめない感じであった。本書は24章に分かれているが、各論の寄せ集めではなく全体を通してのストーリーとして成立している。まさに人間ものがたりである。
 著者は表紙見開きで「わたしたち人類は、なんのかんのと言っても結局は長い時間をかけて、つねによいほうへと進歩してきたのだ」と歴史観を述べている。私はこの著者の考えに全面的に賛成である。よく昔は良かった的なことを言う人が居るが、個人の思い出としてならともかく、社会としてそうだというのであれば、私は断固として反対したい。もし本当にそうなら、あなたはあなたが生きている期間を通じて世の中を悪い方向へ導いてきたのかと問いたい。
 後世の人からあれは間違いだったと言われることがあるにしても、その時点のその人の視点において、みんな世の中を良くしたいと思って行動している。時代,社会を超えて人間ものがたりが書けるのは、この共通する思いが底に流れているからである。☆☆☆☆

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