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2006.03.12

[書評] 世界文明一万年の歴史

マイケル・クック:世界文明一万年の歴史,柏書房,2005

世界文明一万年の歴史 この地球上に人類がたどった歴史は1つしかない。しかしもう1度同じ条件でやり直したら同じ歴史をたどるのであろうか?大河の流域に文明が栄える。これには必然性がありそうだ。だがその場所に大河があったのは、気まぐれな地球の地殻変動が決めた偶然である。歴史そして現代社会のありようには必然性がどれだけ支配していて、偶然性がどれだけ含まれているのか。ジャレド・ダイアモンドはこのような疑問を持ち、1997年に「銃・病原菌・鉄」著した(日本語訳2000年)。
 本書の著者もこの「銃・病原菌・鉄」に影響を受け、本書を著すに至ったと述べている。原題も「A BRIEF HISTORY OF HUMAN RACE」であり、HUMAN RACEと言うところがダイアモンド、そして私の疑問点と共通していることを端的に表している。本書は「歴史が現在の状態に至ったのはなぜか」という第一部から始まり、第二部が「小大陸」、第三部が「ユーラシア大陸の諸文明」と続き、第四部の「世界の均一化?」で締めくくられる。まさしく「銃・病原菌・鉄」の影響を受け、私の関心の核心に迫りそうな構成である。第一部の疑問の呈し方は期待を持たせたのだが、第二部,第三部が各論になってしまった感じがする。それでも第四部に繋ぐのに必要な要素であれば不満はないのだが、そういうわけでもない。第一部はこの本を書くに至った動機、つまり疑問の提示であるが、最後まで読んでこの疑問が解決しただろうか。そんな気がしない。第一部と第二部以降が別物になってしまっている気がする。
 私としては、著者自らが「銃・病原菌・鉄」に影響を受けたと言い、「世界文明一万年の歴史」という題名の450ページもの本ならば、最低でも4つ星を付ける内容を期待していた。各論を読む本だとしても十分に面白いのだが、期待が大きかっただけに控えめな採点にならざるを得ない。☆☆☆

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