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2004.12.28

[書評] 量子コンピュータとは何か

ジョージ・ジョンソン:量子コンピュータとは何か,早川書房,2004

量子コンピュータとは何か 巡回セールスマン問題から最長片道切符、そして先に読んだ「パラドックス大全」に登場する論述の相互矛盾を検証する充足可能性の問題等、NP完全問題と呼ばれているこれらの問題はコンピュータがどこまで速くなっても決して解けないということが、色々な本を読んできて解った。ただしこれは現在知られている(ソフト的には)アルゴリズムと(ハード的には)0と1とで表すコンピュータを用いた場合の話である。この本はハード的な話で、0と1つまりビットを用いないで計算するコンピュータの話である。ビットを用いないで何を用いるのかというと量子である。量子力学の量子である。量子は0から1までの全ての値を同時に取りうるという。シュレーディンガーの猫は生きている状態と死んでいる状態が同時に存在するという、あれである。すでにそこがよく解らないが、認めたとすると、量子によって0か1かでないコンピュータができるというのも何となくわかる気がする。
 量子コンピュータの仕掛けはよくは解らなかったが、要は一種の実験なのではないかと思う。先日テレビで「自分の声を見る」という実験をやっていた。タンバリンのような張力をかけた薄い膜の上に塩をまいて、その膜に向かって声を出すと、膜の振動の節に塩が集まり平面的な模様ができるのである。これはある周波数の空気の振動(声)による膜の応答の節を一瞬にして求めたことになる。また光は常に最短距離を通る。水面での光の屈折は、はた目には遠回りだが光の到達時間としては最短である。光がどうやってそのルートを最短と知るのかはわからないが、とにかく光が通った道が最短なのである。私も仕事柄実験はよくやっていたが、実験は一瞬にして何らかの答えを出す。肝心ことは測定した物理現象が本当に求めていたものかどうかである。シミュレーションなら間違えていればエラーを出すが、実験はエラーとは言ってくれない。しかしどうやるかはともかくとして、全ての解くべき問題を実験に還元できれば、一瞬で解が得られることになる。(解釈が違うかも知れないが)何となく解ってきたぞ量子コンピュータ。☆☆☆

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