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2004.12.08

[書評] 三国志 第2巻

宮城谷 昌光:三国志 第2巻,文藝春秋,2004

三国志 第2巻 第2巻には特別付録が付いている。この「後漢王朝皇帝全十四代在位一覧」によると、この物語の始まる第4代和帝から第14代献帝までで最も「年長」で即位したのは第11代桓帝で15歳。そして魏の曹丕に天下を禅譲した献帝を除くと、最も長生きしたのは同じく桓帝で、最も長生きと言ってもわずかに36歳という若さである。
 第1巻から第2巻へと時代が少し進んでも、メンバーが入れ替わるだけで、幼帝を取り囲む宦官,外戚(皇后・皇太后),官僚の、三すくみの権力闘争であることには何の変化もない。宮城谷三国志がなぜいわゆる三国志の英雄が登場する100年も前から物語を書き始めなければならなかったか、それは第1巻,第2巻を読んで初めて解った気がする。
 第2巻は、皇帝の廃嫡や生死までをも握ろうとする悪霊のような外戚、梁冀に象徴される。能力とは関係なくその地位に着いた宦官と外戚によって支配される朝廷。権力の専横に対して奪回が成功しても、成功したものがまた専横するだけの、飽きもせず繰り返される宮廷内の権力争い。死をも賭けた上書は、朝廷を専横した彼らの手によって皇帝の手前で握りつぶされ、王朝の将来を憂う士は次々と誅されていく。こんな腐りきった王朝を2巻もかけて描くことで、英雄たちが登場する舞台の背景画を描いてきていたのだ。第2巻の最後には董卓が登場する。背景の描写は終わった。いよいよ役者たちの登場である。☆☆☆

[書評] 三国志 第3巻
[書評] 三国志 第1巻

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