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2004.12.13

[書評] ものが壊れるわけ

マーク・エバハート:ものが壊れるわけ,河出書房新社,2004

ものが壊れるわけ 本を買うときには必ず本屋でパラパラとめくってみて、ある程度内容を確かめてから買うのだが、それでも読んでみると思ったより面白くなかったということも多い。この本もそんな感じだ。
 一般向けの化学の本は少なく、あまり読む機会がなかったが興味はある。知識がないのも、単に化学の本を読んで来なかったからだ。だからかもしれないが、この本が言いたいことがあまりよく解らなかった。しかしこの本が解りにくいのは私の不勉強だけではなさそうだ。まず本屋でめくったときからわかっていたことだが、図が1枚もない。例えばカルノーサイクルやトポロジーの話など文字だけで説明する方がよっぽど面倒だと思うのだが、お構いなしのようだ。また著者個人の経験にまつわる話など、それが主題に対して伏線になっているのであれば良いのだが、そうでもないのなら別に興味はない。総合すると著者は随筆を書いているつもりか、さもなければ(自分が歩んできた人生も含めて)自分が解っていることは他の人も理解できると思っているかのようである。経験などはそこに付随する話がなければ関心すら湧かないし、純粋な理論であってもそれを知らない人に理解してもらうのは大変なことのはずである。一言で言うと解りやすく書こうという努力に欠けている気がする。
 しかし構造技術者として1点だけ共感できる一文があった。「われわれはものがいつ壊れるか予想できない時代から、すべてのものは決して壊れないように作るべきだと期待される時代へと移ったのである。この期待は理に合わない。」今年は日本でも天災が多かった。何かが壊れれば二言目には「人災」などと言う昨今の風潮に、私は到底同意できない。☆☆

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