« [書評] 5万年前に人類に何が起きたか? | トップページ | [書評] 三国志 第1巻 »

2004.11.16

[書評] ローマ人の物語V ユリウス・カエサル ルビコン以後

塩野 七生:ローマ人の物語V ユリウス・カエサル ルビコン以後,新潮社,1996

ローマ人の物語V ユリウス・カエサル ルビコン以後 シェイクスピアも読んだことがない私であるが、ジュリアス・シーザーが暗殺されたときに「ブルータスお前もか」と言ったという話ぐらいは知っていた。また誰が言ったか知らないが「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら歴史は変わっていた」という言葉も聞いたことがある。このローマ人の物語を読むまでローマについて何ひとつ知らなかった私でも、この時代のローマに関する断片的な逸話は知っていたぐらいだから、後世の歴史家や作家にとって、最も題材が豊富でドラマチックと捉えられてきた時代であったに違いない。
 この本は歴史書ではなく小説なのだから、劇的に書いても許されるとは思うが、著者は極めて冷めている。カエサル暗殺の場面などは特にそうで、まるで脚色は私の仕事ではないとも言いたげである。脚色はしていない(と思う)が、その分著者の考えが随所に現れているのが、歴史書とも脚本とも異なる趣である。この手の書き方は第1巻から最終巻まで続くと思うが、これまではあまりなかったのではないか。著者の考察が浅はかでなければ、この手の文章は非常に面白いと思う。☆☆☆☆

[書評] ローマ人の物語VI パクス・ロマーナ
[書評] ローマ人の物語IV ユリウス・カエサル ルビコン以前

|

« [書評] 5万年前に人類に何が起きたか? | トップページ | [書評] 三国志 第1巻 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/19205/1976616

この記事へのトラックバック一覧です: [書評] ローマ人の物語V ユリウス・カエサル ルビコン以後:

« [書評] 5万年前に人類に何が起きたか? | トップページ | [書評] 三国志 第1巻 »