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2004.11.02

[書評] ソシュール入門

町田 健:ソシュール入門,光文社,2003

ソシュール入門 そもそも言語学に興味を持つようになったのは、ジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」を読んだからで、人類の歴史を探るのに、生物学的なアプローチとしてDNAを比較するように、文化的なアプローチとして言葉を比較することによっても可能であると知った。この学問分野は比較言語学という。
 この著者の著作は、過去に「言語学が好きになる本」とそのシリーズを読んだことがある。こちらは少しハウツー本的に書かれているが、この著者の、研究室で学生に話すかのような懇切丁寧な説明は、知らない人に本当に解ってもらいたいという著者の気持ちが表れている。
 さて本著は、このかゆいところまで手が届く説明をする著者が、言語学と言えば必ずその名が登場するソシュールが唱えた言語学を解説する。ソシュール以前の言語学は事実上比較言語学でのみあったが、彼の業績は一般言語学という分野を確立したところにある。しかし実は、私が関心を持っていたのは比較言語学だったので少しズッコケた(この本を読むまでソシュールと言えば一般言語学ということさえ知らなかったのだから仕方がない)。著者が解りやすくと挙げている例は良く理解できるのだが、ソシュールの学説自体は良く理解できなかった。しかし学説そのものよりも、(一般)言語学という学問があり得るぞということと、その研究対象をはっきりさせたというところにソシュールの意義があるのだと、著者が言いたいのだとすれば、それは何となく解った気がする。☆☆☆

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