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2004.04.27

[書評] ローマ人の物語II ハンニバル戦記

塩野 七生:ローマ人の物語II ハンニバル戦記,新潮社,1993

ローマ人の物語II ハンニバル戦記 ローマがカルタゴと戦ったポエニ戦役を中心とした約130年間を描いた第2巻。カルタゴという国の名は聞いたことがあったが、恥ずかしながらこの本に出会うまでハンニバルの名すら知らなかった。カルタゴ(現アフリカのチュニジア)のハンニバルは、ローマに攻め上がるのに、カルタゴの目と鼻の先に当たる長靴の先からではなく、象を連れてスペインからアルプス山脈を越えて北から攻め込むのである。ハンニバルの前に連戦連敗のローマに、彗星のごとく現れた名将スキピオ。両雄直接対決のザマの会戦は、まさに千秋楽結びの一番という感じで、手に汗握るほどの興奮を覚えた。中国史上の天下分け目の大決戦である、漢の劉邦vs楚の項羽とほぼ同時期であるのは興味深い。私にとってはストーリーを知らなかったことも幸いしたが、決してそれだけではない。ハンニバル(カルタゴ)vsローマ(スキピオ)を描いたこの巻は特に描写が鮮やかで、全ての読者の頭に、ハンニバルという人物、ローマ国内の慌てぶり、2人があやつる軍の動き、兵士が交える剣の音、などが想い描かれるのではないだろうか。2200年も昔の話とは感じられない躍動感にあふれた物語である。☆☆☆☆☆

[書評] ローマ人の物語III 勝者の混迷
[書評] ローマ人の物語I ローマは一日にして成らず

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コメント

私はこの本を入院中の病院図書館で一気に読みました。正直世界史には興味がなく、暇つぶしに読んだものでしたが、見事にハマリました。ハンニバルとスキピオの因縁を意識しながら読むと、ザマの会戦は鳥肌ものです。歴史上トップクラスの武将が同じ時代に戦うことなど、殆どないだけに、正に「血沸き肉躍る」名著でした。

投稿: ゆきりん | 2005.02.26 21:35

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